こんにちは!日本一周を走った旅ランナーいっちーです。
マラソンのために、あなたが日頃の食事で心がけていることはありますか?
練習同様に毎日食べる食事はマラソンにもとても大切です。
ランナーのあなたは忙しい日々の合間を縫って練習や大会へ参加されていると思います。
しかし、
「食事までは忙しくて中々考えれないよ~」
「栄養をたくさん、バランスよくとればいいんだろうけど具体的に何を食べればいいのわからない。」
などの中々食事まで気が回らない現実があるのではないでしょうか。筆者もそうでした。
でも安心してください。
マラソンのための食事は普段からのちょっとした心がけで改善でき、それが練習やレースへとつながっていきます。
ぜひ、この記事を見てマラソンのために必要な食事の知識を身につけて実践することで、他のランナーよりも一歩も二歩も差をつけれてください!
目次
1 マラソンで走力を上げるのに必要な5大栄養素基礎知識
私たちの健康なからだは5大栄養素からつくられています。人のからだにとって必要不可欠な栄養素です。
特に、マラソンをはじめとするスポーツをする人には知っていて欲しい知識です。この章で5大栄養素が何者なのかを明らかにしていきます。
1-1 炭水化物(糖質)は走るエネルギーの源
1-1-1 炭水化物の役割とグリコーゲンとは
炭水化物は運動に必要なエネルギー源となる栄養素です。マラソン・ランニングで鍵となってくる炭水化物が「グリコーゲン」と呼ばれる糖質です。
糖質は体内で消化され単糖類のブドウ糖へと分解されエネルギーとして使われます。このブドウ糖がいくつか結合した多糖類が「グリコーゲン」です。グリコーゲンは、肝臓や筋肉にエネルギーとして蓄えられています。
1-1-2 グリコーゲンの貯蔵量は限界がある
車のガソリンを入れる量が決まっているように、グリコーゲンが肝臓や筋肉に蓄えれる量にも限りがあります。肝臓に蓄えられるグリコーゲンを「肝グリコーゲン」筋肉に蓄えられるグリコーゲンを「筋グリコーゲン」と言いますが、蓄えれる目安は、
肝グリコーゲン 300~400kcal
筋グリコーゲン 1200~1600kcal
程度しか蓄えれないのです。
フルマラソンに必要なエネルギーが2000~3000kcalなので貯蔵されたグリコーゲン(糖質)だけではフルマラソン後半にエネルギー切れを起こしていまします。これがよく言われる「ガス欠」や「ハンガーノック」と言われるものです。
1-1-3 炭水化物の摂取量の目安
運動をほとんどしない一般人(以降一般人と表記する)の炭水化物摂取量の目安は50~65%となっています。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015より)
運動を多くするアスリートは炭水化物の摂取割合は50〜70%程度で割合はさほど変わりはありませんが、大会前には炭水化物を多めにとるカーボローディングなどの調整をするときもあります。
その日の運動量や大会への調整に向けてなど状況によって食べる割合を変えていきましょう。普段の食事では50〜60%。カーボローディング時は70%程度を目安として食べます。
詳しいカーボローディングの方法を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみてください。
⇒マラソン大会1週間前で自己ベストを出すカーボローディング
1-2 タンパク質は走るからだをつくる
1-2-1 タンパク質の役割と種類
タンパク質の役割は、筋肉や骨、血液、皮膚などからだをつくるための必要な栄養素です。タンパク質は分解され「アミノ酸」となり腸から吸収されます。
アミノ酸は20種類あり、その内9種類のアミノ酸は体内ではつくりだせないため食事でとる必要があります。このアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。
1-2-2 タンパク質の摂取量の目安
一般人のタンパク質摂取量の目安は1kgあたり0.65gです。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015より)
長距離を走ったあとは、一般人の約2~3倍を摂ると良いので、体重1kgあたり1.3~2gを摂るのが目安となります。
その日の練習量に合わせて、タンパク質の量を調整しましょう。
1-3 脂質を効果的にエネルギーとして利用する
1-3-1 脂質の役割
脂質は、一般的に肥満やメタボリックシンドロームなどの原因となり悪者として扱われることが多いですが、からだにとっては必要不可欠な栄養素です。
脂質は、細胞やホルモンをつくるためや体温維持などの役割を担っています。
1-3-2 脂質のエネルギーとしての素質
ランニングの際に脂質もエネルギー源として使われます。脂質のエネルギー量は1gあたり9kcal です。体脂肪の2割は水分などなので、残りの8割が脂質となります。
仮に、体重60kg体脂肪10%の人の脂質のエネルギー量を計算すると、43,200kcalものエネルギーが備えられているのです。
フルマラソンに必要なエネルギーは2,000~3,000kcalですから、いかに脂質のエネルギー量が大きいかがわかります。
しかし一方で、脂質はエネルギーとして使われにくいとうい性質もあり単純に蓄えられた脂質がエネルギーとして使われるわけではありません。
そのため、ここでは必要最低限な脂質は必要であるということを理解しておきましょう。
1-3-3 脂質摂取量の目安
一般人の脂質の摂取量の目安は20~30%とされています。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015より)
現代では脂質の摂取が足りないということはほぼありませんので、脂質のとりすぎに注意をしましょう。
1-4 ミネラルはからだの調子を整える
1-4-1 ミネラルの役割と種類
人のからだの96%は「酸素」「炭素」「水素」「窒素」の4つで構成されています。残りの4%の元素のことをミネラル(無機質)と言います。ミネラルは、からだの体調を整えるのに重要な役割があります。
1-4-2 カルシウムと鉄はランナーにとって重要
カルシウムと鉄はランナーにとって特に重要なミネラルです。
カルシウムは骨をつくり維持するために必要な成分です。また、カルシウム不足になると足のつりやケイレンを起こす原因にもつながります。
鉄は、貧血にならないために必要不可欠な成分です。鉄はタンパク質と結合し、酸素を運ぶヘモグロビンになるために必要なのです。また、女性は月経により鉄が不足しがちになるため特に鉄の摂取を意識する必要があります。
2つの成分は、普段の食事からの摂取が難しく、不足しがちになることや体内への吸収率が悪く汗とともに外へと排出してしまいますので意識して食事をとる必要があります。
1-4-3 カルシウムと鉄の摂取量の目安
一般人のカルシウム、鉄の摂取量の目安は、
カルシウム 成人男性 650~800mg 成人女性 650mg
鉄 成人男性 7~7.5mg 成人女性 10.5~11mg
です。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015より)
運動量が多いランナーはこの2倍程度を摂取するのが目安です。
1-5 ビタミンは免疫力を高め、潤滑油として働く
1-5-1 ビタミンの役割と種類
多くのビタミンの役割は糖質や脂質、タンパク質の代謝を滑らかにする油のような働きをしています。また、免疫効果を高め、風邪をひかないからだをつくるのにビタミンは重要な役割を担っています。
ビタミンは13種類あり、特にランナーにとって重要なのが、以下の3成分です。
ビタミンB1・・・糖質の代謝を助けます
ビタミンB2・・・糖質、タンパク質をはじめ、とくに脂質のエネルギー代謝を助けます
ビタミンC・・・・ケガの予防やストレス緩和、免疫力の向上をします
1-5-2 ビタミン摂取の目安
一般人のビタミン摂取目安量は、
ビタミンB1 1.1~1.4mg
ビタミンB2 1.2~1.6mg
ビタミンC 100mg
となります。(厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015より)
運動量の多いアスリートはこれの2~3倍を摂取するのが目安となっています。
2 日頃の食事で5つの品目を毎食とるための知識(コマの図)
ランナーにとって5大栄養素をバランスよく食べることが大切です。バランスよく食べるのにわかりやすく表現したのが「食事バランスガイド(コマの図)」です。
このコマの図は上から「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」と並んでおり、各食の摂取量(バランス)も表しています。
図を見てみると主食が一番多くとり、果物・乳製品が少量でよいことがわかります。この5つの品目を毎食とることでバランスのよい食事をとることができます。
2-1 主食
ごはん、パン、麺、もちなどの炭水化物をいいます。
2-2 副菜
野菜、海藻、芋、きのこなどビタミンやミネラルになる食べものです。
2-3 主菜
魚、肉、卵、大豆製品などタンパク質になる食べものです。
2-4 果物
バナナ、オレンジ、キウイフルーツ、いちごなどビタミンがとれる食べものです。
2-5 牛乳・乳製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなどミネラルやタンパク質がとれる食べものです。
3 5品目を普段の食事に取り入れるための知識
コマの図を参照に毎食5品目をそろえて食べることが望ましいです。しかし、現代社会で毎食5品目をそろえることは容易ではないと思うかもしれません。
この章ではちょっとした心がけで5品目をとることができる工夫を紹介します。
3-1 家ではバランスの取れた食事にフルーツと乳製品を
家で自炊をして食べる場合、多くのおかずを作ってバランスよく食べるのは人によっては大変です。
- その日のおかずの作る量を増やし、前日の残り物の1品を付け加える
- スーパーの惣菜品で品目を増やす
などをうまく利用して品目をとりましょう。また、フルーツやヨーグルトなどの乳製品をデザートとしてそえることでバランスをとることができます。
フルーツを効果的にとるために、アップルとパイナップルをペンで刺して食べるのもありかもしれません、、、。
3-2 コンビニ弁当ではプラスアルファで付け加える
状況によりコンビニ弁当で食事を済ましてしまう人も多いのではないでしょうか。そういう場合は、弁当にプラスして、サラダや野菜ジュース、ヨーグルトを付け加えることでバランスのよい食事をとれます。
3-3 外食では定食があるお店がベスト。足りない食品を食後や間食で補う
外食の場合は、食事が偏りがちですが、比較的バランスのとれた食事ができるのは定食屋です。それでも果物や乳製品はない場合が多いのでオレンジジュースやヨーグルトを後でとることでバラスよい食事ができます。
3-3-1 居酒屋はバランスのとれた食事をとることができる
居酒屋は和食メニューが多くそろえられているので低脂肪高タンパクの食事が多くあります。一方で揚げ物などの高脂肪の食べものや、味の濃い食べものもあるので食べるものに注意しましょう。
アルコールの摂取量も自分で何杯までと事前に決めるなどの心がけてバランスをとることが大切です。
3-3-2 ファーストフードではサイドメニューでサラダや果物を
ファーストフードは特に栄養が偏りがちです。牛丼なら牛丼だけでなくサラダや卵を付け加えるなどの工夫をしましょう。
また補えなかった食品(野菜ジュースやオレンジジュース、ヨーグルト)を補うように心がけることでバランスがとれます。
また、ファストフードだからといって早食いは消化吸収に良くないのでゆっくり食べるように意識しましょう。
4 補給と補助食品(サプリメント)の知識
練習前後や水分補給のタイミング、サプリメントの必要性についてなどこの章では紹介していきます。
4-1 水分補給は食事と同様に大切
からだの約60%は水分で、からだの維持にとって最も大切な成分です。
運動時には、汗として水分とともにミネラルも排出されてしまいます。そのため、水分だけを摂取しても栄養素が足りなくなってしまうのです。
汗をかきすぎると、脱水症状や熱中症の原因になってしまいます。そのためにミネラルが効果的に入っているスポーツドリンクをとることで水分とミネラルの両方を補えます。
飲むタイミングは、のどが渇く前の補給を心がけましょう。気候条件にもよりますが時間としては、15~30分に1回はコップ1杯分程度をとるように心がけましょう。
4-2 補給食でランニングを効果的に行う
長距離、長時間ランニングをする際には補給食が大切です。ランニング前、中、後についての補給食を紹介します。
4-2-1 ランニング前
1時間30~2時間前
- おにぎり
- パン
- カステラ
などの補給をとることでランニング時のエネルギー源となります。
30分~1時間前
- エナジージェル
- バナナ
この時間であれば、すぐにエネルギーに変わりやすいジェルやバナナなどをとるといいでしょう。
4-2-2 ランニング中
長距離を走る場合は、ランニング中にも補給食を効果的にとることでエネルギーの枯渇を防げます。
- エナジージェル
- ブドウ糖タブレット
- バナナ
これらの補給食は素早くエネルギーにかわってくれるので効果的です。
4-2-3 ランニング後
ランニング後は、疲労回復するためにも素早く補給食をとるが効果的です。30分以内に炭水化物とタンパク質を補給することで効果的に疲労回復が期待できます。
- おにぎり
- あんぱん
- バナナ
- 牛乳
- エナジージェル
- プロテイン
などを事前に用意しておいたり、お店で買うなど早めに食べることを意識しましょう。
4-3 走力アップには食事をとった後に練習を
走力アップのためにランニングをされるのであれば食事(補給食)をとった後に練習をしましょう。ただし、食べた後は消化に時間がかかるため、適量に抑え1時間30分〜2時間前には食事をとっておきましょう。
ちなみに、ダイエット目的の場合は、食事前に走るのが効果的です。
4-4 サプリメントで効果的に足りない栄養を補う
食事でどうしても補えないものはサプリメントで足りない栄養素を補うとよいでしょう。ミネラル、鉄、ビタミンなど自分に足りてない成分をサプリメントでとりましょう。
ランニング、トレイルランニングのアスリートにも注目されているサプリメントが「カツサプ」です。
「カツサプ」は「パフォーマンスの向上」「筋肉ダメージの軽減」「素早い回復力」を支える画期的な持久系スポーツサプリメントで、乳酸をエネルギーに変え、筋肉のダメージを軽減させる効果が期待できます。
ドーピングにもひっかからないサプリで、オリンピック選手も愛用しています。筆者も長時間のトレーニングやレースの時に使用しています。気になる方は以下のリンクをチェックしてみてください。
日常的に野菜、ビタミン不足な気ががするなあという時には、「マルチビタミン剤」を飲むようにしています。マルチビタミンでも色々ありますが、筆者はコスパを優先させて以下のビタミン剤を飲んでいます。それぞれ予算の関係もあると思いますので、懐事情などをかんがみて、自分にあったものでいいと思います。
5 マラソン大会に向けての食事の知識(カーボローディング)
マラソン大会に向けての食事はカーボローディングやグリコーゲンローディングと言われます。カーボローディングは、大会3日前から炭水化物の摂取量を増やすことで筋肉に蓄えられるグリコーゲンを一時的に増やすという調整法です。
詳しいカーボローディングの方法は以下の記事を参照してください。
まとめ
マラソンのための食事について書いてきました。まとめると、
-
- 5大栄養素をバランスよくとり入れることが大切
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- 「主食」「副菜」「主菜」「果物」「牛乳・乳製品」の5品目を毎食取りそろえるように意識する(コマの図)
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- ランニングに応じて水分補給や効果的な補給食をとる
-
- 足りない栄養素はサプリメントを活用する
といった点を意識することでマラソン・ランニングの走力向上につながり、普段の健康面でも大きく改善されるでしょう。
食事はマラソンの第二のトレーニングです。今回の中で1つでもできることからはじめて走力アップにつなげていきましょう。
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