こんにちは。旅ランナーのいっちーです。
先日「大人の夏休みの自由研究」と題して北アルプスを大縦走してきました。
ルートは、魚津市のミラージュランドをスタートし、剱岳、立山、薬師岳を経て三俣蓮華岳まで。ここまでは、2年に1度開催されるTJAR(トランスジャパンアルプスレース)のコースにもなっています。(今回はTJAR2022の出場に向けたトレーニングも兼ねている。)そこからは進路を北向きに転回し赤牛岳、鹿島槍ヶ岳、白馬岳を経て日本海の親不知までの距離:185km、累積標高15,107m、5泊6日の山旅となりました。
今回はその時のジャーニートレイルの記録です。
※5泊6日の山行のうち、1~3日目を前編。4~6日目を後編としています。
◯8/22(1日目)ミラージュランド~五色ヶ原キャンプ場
ミラージュランド(0:00)~剱岳(9:00)~雄山(12:54)~五色ヶ原(15:43)泊
距離:48.3km 累積標高差(D +):4128m
2021年8月22日深夜0時に魚津市にあるミラージュランドをスタートする。スタート前に海岸へ行き海の感触を感じて出発。見送りに、山ちゃん達が来てくれた。こんな真夜中の時間にわざわざ来てくれることに感謝したい。
スタートして、早々に雨が降りだす。強弱ありながら降ったり止んだりを繰り返す微妙な天気。気温が高いので、濡れるのは嫌だったがそのまま走行する。馬場島手前でかなり降ってきたので、レインウェアを着用した。今回の予定ルートでは唯一のロード29km区間。はじめて通るルートがほとんどだったので、Googleマップを確認しながら進んだ。自販機の位置なども確認。
馬場島からは、いよいよ登山道に入る。登山道入り口に立てられている「試練と憧れ」
ここから剱岳へ続く早月尾根ルート標高差2200mを一気に登っていく。
下界が不安定な天気だったので、上はかなりの悪天候を予想していたが、山頂まではほとんど雨も降らずで、稜線は風がそれなりに強かったが悪くない条件だった。
剱岳からは別山尾根を通り立山を縦走する。
別山あたりで再度雨が降りはじめ、風雨が身体の体温を徐々に奪っていく。もう少し早めに着ておけば良かったと反省したが、雄山山頂にて休憩とともにレインウェアを着用した。
その日は予定通り、五色ヶ原キャンプ場まで行くことがきた。コースタイムも60%を切るペースで到着することができたのも収穫だ。(TJARの参加条件の1つになっている。)
この日のテント泊者は、僕ともう1人の2張りだった。
ストックシェルターを設営し、アルファ米の食事をすませてからその日の眠りについた。
◯8/23(2日目)五色ヶ原~双六キャンプ場
五色ヶ原(1:48)~スゴ乗越小屋(5:40)~薬師岳(8:33)~太郎平小屋(10:11)~双六キャンプ場(17:32)
距離:31.1km 2740mD +
ストックシェルター内は狭くて思うように身体が動かせない。1時スタート予定のところ、グダグダと準備に時間を要したため出発が遅れる。それに加えて、昨日の情報で2日目の泊まりを予定していた三俣山荘が新型コロナウィルス感染者が出たとのことでキャンプ場も含めて閉鎖になってしまった。行程を変更せざるを得なかった。頭の中で地図を拡げて色々と考えた上、この日は三俣蓮華岳より先の双六小屋までを目指すことにした。双六小屋までならプラスで2時間程度のコースタイムですむので結果的に正解だった。
深夜からのスタートなので、あたりは当然ながら真っ暗。ヘッデンを照らしながら前を進む。稜線では風が強く、この日は雨も吹きつける厳しい条件のなか進むことになった。
越中沢岳、スゴノ頭付近はかなりの急傾斜で下りでは特に慎重に進んでいった。
薬師岳へ向かうにつれ徐々に天候が回復し、美しい山容が顔を覗かせた。
太郎平小屋まで到着し、しばし休憩の間に濡れきったシェルターなどを乾かす。
北ノ俣岳、黒部五郎カールの美しい景色を眺めながら黒部五郎小屋に到着した。購入したコーラが身体に染み渡る。
休みもすぐに足早に今日の泊地である双六小屋を目指した。
当初の予定よりもコース距離が延びたが、なんとか日没前に双六キャンプ場へ到着することができた。
双六小屋 テント場。設営完了。 双六池。
◯8/24(3日目)双六キャンプ場~船窪キャンプ場
双六キャンプ場(1:18)~水晶小屋(5:27)~赤牛岳(8:34)~奥黒部ヒュッテ(11:46)~船窪キャンプ場(17:24)
距離:28.5km 2227mD +
今日は北アルプスの中でも最深部である水晶岳、赤牛岳を通るコースだ。まずは昨日も通った双六の巻道ルートを通り、鷲羽岳を目指す。今日は月明かりが見える良い天気だ。
カール地形を通る巻道ではほとんど感じなかったが、鷲羽岳の稜線へ出ると厳しい西風が断続的に吹きつける。今いる場所が3000m級の北アルプスの山々だということを思い知らされる。
水晶小屋で水の補充と小休止をした。ここからは、奥黒部ヒュッテに下りるまで水場はないので多めに持って行く。
水晶岳を通り、赤牛岳を過ぎるまで西風の強風の中を黙々と進んでいった。赤牛岳は、名前の通り赤色の地質の色をした山だ。山の名前で赤〇〇と名前がついているは、地質の色が関係してあるものが多いように感じる。
赤牛岳を過ぎると1300m程標高を下げて黒部湖へと下りていく。ここの下りは滑りやすく、急傾斜の場所も多いため注意が必要だ。
奥黒部ヒュッテまで降りてきたら、黒部川沿いを水平に通る歩道を進む。平ノ渡場から先は針ノ木谷へと入っていく。前日、前々日とそれなりの雨が降ったことで川が増水していないか心配だった。針ノ木谷は、地図上では一般ルートになっており問題ないだろうと思っていたが、草刈りはあまりされておらずマークが見えにくい場所も多くあり、プチバリエーションという印象。沢登りの経験が浅い僕には、想定外の出来事で思った以上に体力と精神力を奪われてしまった。また、今日の午後からは天気が悪化して雨が降るとの予報。当初の予定では針ノ木谷から針ノ木峠へと上がる予定をしていたが、さらに2時間以上沢を歩くことになることや、雨が降った場合の増水具合など不確定な要素が多かったので、船窪岳分岐から船窪キャンプ場を目指すルートに変更した。こういうときはフェールセーフの考えで動くのが間違いない。
船窪乗越へ行く途中に雨が降りはじめた。日没前になんとか船窪キャンプ場へ到着。
シェルターを設営後船窪小屋まで受付へ向かうが小屋までの距離が地味に長い。小屋番の方に聞いたところ、昔はキャンプ場付近に小屋があったそうだが雪崩で崩壊しやすい場所だったため、現在の場所へ移設されたそうだ。この日は冷たい雨の中シェルター泊となった。テン泊者は僕1人のようだ。いつものように、ガスバーナーを使おうとライターを点けようとしたところ、火がつかない。。。ライターをジップロックに入れていなかったのでどうやら雨で濡れてダメになったようだ。何回も試みてみるが、つく気配はない。バックアップとしてのマッチなども用意していなかったので万事休す。だが、食料として持ってきたアルファ米は水でも1時間ほどで食べれるようになるというこれまた優れものの食料だ。この日は水で作ったアルファ米をはじめて食べた。温かくないくらいで味は、お湯で作るのと大差ないと感じた。
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